三菱UFJ銀行 決算発表内容まとめ

🔍 決算概要(2025年4〜6月/第1四半期)

親会社株主に帰属する純利益:5460億円(前年同期比▲1.8%減)

傘下のタイ子会社アユタヤ銀行(Krungsri)の決算期変更という特殊要因を除くと、実質的には2.2%の増益

経常収益:3兆2539億円(同▲7.7%)

経常利益:7085億円(同▲3.4%)

一株当たり利益(EPS):47.55円前後(微増)

進捗率:通期目標純利益2兆円に対し、約27%の進捗率

📈 業績の特色と背景

1. 実質的な利益成長
会計処理上の特殊要因を除けば、前年より利益が伸びており、貸出の堅調な増加や利ざや拡大による収益性の向上が背景にあります 。

2. 貸出・利ざやの恩恵

国内貸出残高:前年72.7兆円 → 今75.8兆円へ増加

貸出・預金利ざや(NIM):前年0.86% → 今期0.95%に拡大

3. セグメント別改善傾向

フィー収入(役務取引収益)増加

運用収益は減少傾向(国債関連損益の悪化など)

4. 資本の健全性および株主還元策

自己資本比率:CET1比率10.1%、エクイティ比率5.0%を維持

1000億円規模の自社株買いプログラムを継続

通期配当見通し:70円(中間・期末各35円)、前年64円より増配を継続

🎯 通期見通しとリスク要因

通期業績予想:純利益2兆円(据え置き)、過去最高益を更新予定

進捗適正:Q1終了時点で27%進捗、順調な滑り出しと位置づけられます

リスクファクター:

米国の関税や保護主義政策に伴う影響(特に下期に顕在化の可能性)

円高による為替損・収益圧迫

世界経済の波乱による株価変動や与信費用増加

✅ 総括と評価

項目 評価

四半期純利益 表面上は減益(▲1.8%)も、除くと実質増益で良好
貸出・利ざや 順調に拡大、金利環境の改善を享受
コスト・資本政策 収益改善に加えコスト管理と自己資本維持に注力
通期見通し 計画維持、進捗順調だが下期リスクに注意
株主還元 増配と自社株買い継続で積極姿勢

→ 全体として、市場予想を上回る着地であり、通期目標達成に向けて順調な立ち上がり。ただし、下期の外部環境には注意。

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